介護予防には、男女とも身体機能が強く影響!余命には、男性は骨格筋量、女性は脂肪量が身体機能とは独立して影響!(東京都健康長寿医療センター研究所)

 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター研究所 社会参加と地域保健研究チームの 藤原 佳典 氏らの研究グループの報告。2022年2月25日「Journal of Cachexia, Sarcopenia and Muscle」に掲載。

 草津縦断研究と鳩山コホート研究データを使用。健康診断に参加した65歳以上の1,765名(男性862名、女性903名、平均年齢72歳)が対象。

 身体組成指標は、生体電気インピーダンス法で求めた骨格筋指数(四肢の筋肉量を身長の2乗で除したもの)と 脂肪指数(全身の脂肪量を身長の2乗で除したもの)。身体機能指標は、握力と通常歩行速度で評価。これら4指標と新規要支援・要介護認定および総死亡との関連を分析。追跡期間中央値は5.3年。

 結果、男女とも一貫して、骨格筋量や脂肪量に関わらず、握力、通常歩行速度が高いほど要介護状態になりにくく、低いほどなりやすいという結果。一方、余命にも握力、通常歩行速度が強く影響するが、これらとは独立して、男性は骨格筋量が多いほど余命が長いという正の関係性がみられた。女性は脂肪量が高値であっても余命に有意な影響はなかったものの、脂肪量が少ないほど余命が短いという関係性が認められた。(上図参照)

 報告は、「介護のリスクは、男女とも握力と通常歩行速度に依存していた。余命は、男性は筋肉量、女性は握力と通常歩行速度に加えて脂肪量低下の影響を受けていた。健康増進の目標は筋力や体力の改善だが、平均余命の延伸には体組成にも注意を払う必要がある」とまとめている。


「高齢期の体組成・体力とその健康影響―男性では骨格筋量、女性では脂肪量が筋力・歩行能力と独立して余命に影響―」(東京都健康長寿医療センター研究所)
 https://www.tmghig.jp/research/release/2022/0304.html
「Dose–response relationships of sarcopenia parameters with incident disability and mortality in older Japanese adults」
 https://onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1002/jcsm.12958