2020年のがん診断件数、早期がん減少!進行期がんの増加を懸念(日本対がん協会 他)

 公益財団法人日本対がん協会が、がん関連3学会(日本癌学会、日本鴈治療学会、日本臨床腫瘍学会)の「新型コロナウイルス(COVID-19)対策ワーキンググループ」と国内486施設を対象にアンケートを実施した結果。2021年11月4日に公開。

 アンケートは2021年7~8月、全がん協会加盟施設、がん診療連携拠点病院、がん診療病院、大学病院など486施設に5つのがん(胃、大腸、肺、乳、子宮頸)の診断数、臨床病気(1~4期、がん種によって0期も含む)、手術数、内視鏡治療数などを調査。大規模調査は全国初で、北海道東北、関東、中部北陸、近畿、中国四国、九州沖縄の各地域の計105施設から回答を得た。(回答率21.6%)

 2020年のがん診断件数は8万660件で、2019年の8万8,814件より8,154件(9.2%)少なく、治療数(外科的・鏡視下的)も減。

 5がん別の診断数の減少幅は、胃がん13.4%、大腸がん10.2%、乳がん8.2%、肺がん6.4%、子宮頸がん4.8%。がんに罹患する人の割合は2019年、2020年でほぼ変わらないと考えられるため、2019年と同じように検診や通院ができていれば発見できたがんが約9%あったと推測。(上図参照)

 報告は、「今後はがん検診の受診勧奨を強め、検診・通院控えの方たちの受診につなげることが重要。ワクチン接種などによるコロナ対策の充実を図るとともに、がん対策も迅速拡充することが欠かせない」とまとめている。


「2020年のがん診断件数 早期が減少 進行期の増加を懸念 日本対がん協会とがん関連3学会が初の全国調査」
 https://www.jcancer.jp/news/12418