国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所 国立健康・栄養研究所 丸藤氏らの報告。
22,972人(男性14,805人と女性8167人、年齢中央値49歳)の正常血圧者が対象。2001年4月から2002年3月の間に、立位体前屈を測定。結果から四分位数に分類。高血圧は、収縮期血圧≥140mmHg、拡張期血圧≥90mmHg、または、2002年4月から2008年3月までの健康診断で高血圧と診断されたまたは高血圧の現在の投薬の自己報告による。
年齢、性別、肥満度、運動習慣、喫煙状態、飲酒状態を調整。高血圧の発生率のハザード率と95%信頼区間(95%CI)は、Cox比例ハザードモデルを使用して推定。
結果、最も低い柔軟性群(四分位1)と比較して、ハザード比と95%CIは、四分位2で0.96(0.88〜1.04)、四分位3で0.94(0.86〜1.03)、四分位4で0.83(0.76〜0.91)。最も柔軟性の高い群では最も低い群に比べて高血圧の発症リスクが17%低い結果。(下図参照)
報告者は「柔軟性のレベルは、他の交絡因子とは無関係に、高血圧の発生率の低下と関連していた」とまとめている。
Gando Y et al. Body Flexibility and Incident Hypertension:The Niigata Wellness Study. Scand J Med Sci Sports.2020:in press
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33141990/
〔管理者コメント〕
健康づくり身体活動の指導者としては中強度の運動とストレッチの組み合わせが一時的にも中長期的にも降圧効果をもたらすことは経験則としても実感していたが、柔軟性が直接血圧に影響しているという報告は初めてでは?自律神経系への効果?血管への直接的な影響?それとも・・・。
どちらにしても身も心も柔軟に!