高齢者の継続的な社会参加は、認知症発症リスクを低下させる!(東京科学大学)

認知症,スポーツ,趣味,社会参加

(アイキャッチ画像、上図は本文とは直接は関係ありません)

 東京科学大学大学院の 松山 祐輔 氏らの報告。2025年10月22日 東京科学大学(Science Tokyo)のホームページで公表。研究成果は、2025年9月22日「Social Science & Medicine」に掲載。

 「日本老年学的評価研究(JAGES:Japan Gerontological Evaluation Study))」の65歳以上の47,698人のデータを使用。2013年にベースライン調査、2016年と2019年に追加の質問票調査を実施。市区町村登録簿から2022年までの認知症発症情報を取得。スポーツの会や趣味の会などに週1回以上参加していることを「継続的に社会参加」と定義して認知症発症リスクとの関連を分析。

 結果(一部抜粋)

・ 追跡期間(中央値9.2年)中に8,207人(17.2%)が認知症を発症。
・ 2013年から2019年にかけて「継続的に社会参加していた」グループは、「継続的に社会参加していなかった」グループと比較して、認知症のない生存率が3.2%(95%信頼区間〔CI〕: 1.9~4.5)高かった。
・ 具体的なグループの種類では、「スポーツの会」が4.2%(95%CI: 2.0~ 6.4)、「趣味の会」が5.3%(95%CI:2.5~8.0)認知症のない生存率が高かった。


 報告は、「高齢者の継続的な社会参加が、長期的な認知症予防に役立つ可能性を示したものであり、高齢者が地域活動や交流の場に参加し続けられるよう支援する取り組みの重要性を示している」とまとめている。


「継続的な社会参加が認知症リスクを低下させる」(Science Tokyo)
 https://www.isct.ac.jp/ja/news/aiysyvw4ucol
「Sustained social participation and dementia: evidence from a Japanese longitudinal cohort study with a time-varying exposure analysis」(Social Science & Medicine)
 https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S0277953625009396