PHR(personal health record)とは生涯型電子カルテのことで、個人の健康に関する情報を1ヵ所に集め、本人が自由にアクセスでき、それらの情報を用いて健康増進や生活改善につなげていこうというもの。病院・診療所や検査機関からの診察・検査データ、保険者保有の特定健診データ、薬局からの薬剤データ、自己測定による血圧や血糖、体重、食事や運動、服薬などの情報についても、スマートフォンのアプリに記録、管理できるシステム。急激な少子高齢化、人口減少が進む我が国にあって、更なる健康寿命の延伸に向けた取組を進めるための仕組みの一つとして注目されている。
「経済財政と運営の基本方針2019~「令和」新時代:「Society 5.0」への挑戦~」(令和元年6月21日閣議決定)においては、「生まれてから学校、職場など生涯にわたる健診・検診情報の予防等への分析・活用を進めるため、マイナポータル※2を活用するPHRとの関係も含めて対応を整理し、健診・検診情報を2022年度を目途に標準化された形でデジタル化し蓄積する方策をも含め、2020年夏までに工程化する」こととしている。
これらを受けて、既に進んでいる事業の状況も踏まえつつ、我が国のPHRについての目的や方向性を明確にした上で、健康に関する情報の電子データ等の形での円滑な提供や適切な管理、効果的な利活用が可能となる環境を整備していくため、厚生労働省主導で関係省庁や省内関係部局との連携の上「第1回国民の健康づくりに向けたPHRの推進に関する検討会」(2019年9月11日)を開催し、本格実施に向けた検討が始まった。
※1 EHRとはElectronic Health Recordの略語。個人の医療・健康等に係る様々な情報を蓄積し、参照・活用・共有等を行う仕組み。政府が日本語表記する場合は「医療情報連携基盤」や「健康情報活用基盤」等。
※2 マイナポータルとは、政府がマイナンバーカード所有者に提供しているオンラインサービス。行政機関が持っている自分の特定個人情報の内容確認や子育てに関する行政手続きが簡単にできたり、公的決済サービスを利用できるなどのサービスを利用することができる。
第1回国民の健康づくりに向けたPHRの推進に関する検討会の開催について(厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_06643.html
〔管理者コメント〕
個人情報管理をしっかり行うのは当然ですが、高齢者を中心とした情報弱者への手厚いサポートを忘れないでいただきたい!