週1回以上のチーズ摂取習慣は日本人高齢者の認知症発症リスクの低下と関連!(新見公立大学 他)

新見公立大学 鄭 丞媛 氏 らの研究グループの報告。2025月12月17日 同大学および株式会社明治のホームページにて公表。研究成果は2025月10月25日「Nutrients」に掲載。
65歳以上の日本人成人を対象とした全国的なコホート研究である日本老年学評価研究(JAGES:Japan Gerontological Evaluation Study)を使用。
2019年の郵送アンケート調査に回答および2022年の長期介護保険認定データと保険料評価の記録について連携がなされている13,759名を抽出。除外基準に該当しない10,180名に対し傾向スコアマッチングを行い、日常的に(週に1回以上)チーズを摂取する者(摂取者)とチーズを摂取しない者(非摂取者)それぞれ3,957名のデータを用い3年間のチーズ摂取と認知症発症の関連性を解析。
結果
・ 3年の追跡期間にて、「摂取者」は134名(3.39%)、「非摂取者」は176名(4.45%)の認知症発症を確認。
・ 「摂取者」は認知症の累積発症率が「非摂取者」と比較して有意に低いことが明らかになった。

・ チーズの日常的な摂取と認知症発症リスクの低下は有意に関連(ハザード比:0.79、95%信頼区間:0.63-0.99、p=0.04)。(上図参照)
報告は、「日本の高齢者集団ベースのコホート研究において、習慣的なチーズ摂取(週1回以上)は、3年間の認知症発症率の若干の低下と関連していた。この知見は発酵乳製品が認知機能に有益な可能性を示唆する先行研究と一致している」とまとめている。
「チーズ摂取と認知症発症の関連を明らかに」(新見公立大学)
https://www.niimi-u.ac.jp/index.cfm/1,14606,html
「日常的にチーズを摂取することが認知症発症リスクを低下させることを日本の高齢者を対象とした3年間の追跡調査により発見」(株式会社明治)
https://www.meiji.co.jp/corporate/pressrelease/2025/12_08/index.html
「Cheese Consumption and Incidence of Dementia in Community-Dwelling Older Japanese Adults: The JAGES 2019–2022 Cohort Study」(Nutrients)
https://www.mdpi.com/2072-6643/17/21/3363