公益財団法人 明治安田厚生事業団 川上 諒子 氏、早稲田大学スポーツ科学学術院 谷澤 薫平 氏らの研究グループの報告。2025年6月26日明治安田厚生事業団、早稲田大学のホームページで公表。研究成果は、2025年5月8日「Clinical Nutrition ESPEN」に早期公開。
2015年3月から2024年9月の間に計2回の WASEDA’S Health Study※ に参加した40～87歳の日本人成人227名（男性149名、女性78名）を対象とした縦断研究。平均追跡期間は8.0±0.4年。
専用機器（二重エネルギーX線吸収測定法）を用いて両腕脚の筋量（四肢筋量）を測定し、ふくらはぎ周囲長（立位で左右のふくらはぎの最大周囲長を計測した平均値）の変化と筋量の変化の関係を分析。
結果
ふくらはぎ周囲長の変化と四肢筋量の変化との間には正の相関関係が確認された。ふくらはぎ周囲径が1.0cm減少すると、男性は1.4kg、女性では0.9kgの四肢筋量の減少に相当。（上図参照）
年齢および肥満に基づくサブグループ解析でも、同様の正の相関が示された。
報告は、「本研究の結果から、年齢や肥満状況にかかわらず、ふくらはぎ周囲長の変化と四肢筋量の変化との間には正の相関関係があることが示された。すなわち、ふくらはぎ周囲長の変化をモニタリングすることによって、誰もが簡易に筋量の変化を推定できる可能性が示唆された」とまとめている。
※ WASEDA’S Health Study (Waseda Alumni’s Sports,Exercise,Daily Activity,Sedentariness and Health Study)
早稲田大学の卒業生やその配偶者を対象として、運動や食事などの生活習慣が健康に及ぼす影響を長期間にわたり追跡調査を行う研究プロジェクト
「Relationship between longitudinal changes in calf circumference and skeletal muscle mass」（Clinical Nutrition ESPEN）
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S2405457725003419
「ふくらはぎが細くなったら筋量減少のサイン —世界初！ふくらはぎ周囲長の変化と筋量の変化の関係性を縦断的に検討—」（明治安田厚生事業団） https://www.my-zaidan.or.jp/pressrelease/detail.php?id=0525219871791d31f5acfe7fbb3018e9&tmp=1750827675