
弘前大学大学院 冨澤 登志子 氏らの研究グループの報告。2025年5月7日同ホームページで公表。研究成果は、 2025年4月24日に「Health Psychology and Behavioral Medicine」に掲載。
2023(令和5)年9月に弘前市民会館で開催されたお笑いステージ「TAnGE OMOSHÉ」の来場者より条件の整った101名(18~64歳)が対象。約2時間のお笑いのライブパフォーマンス鑑賞の前後で、質問紙調査(楽観性・悲観性、不安感など)とストレスマーカーである唾液α-アミラーゼ(sAA)活性測定を実施。
主な結果
ライブ鑑賞後に参加者の楽観性スコアは有意に上昇し、一方で悲観性スコアと不安スコアは有意に低下。また、ストレスによって上昇する唾液α-アミラーゼ(sAA)活性も、ライブ鑑賞後に有意に低下。特に、参加者の63.7%で鑑賞後にsAA活性の低下が見られた。鑑賞後の楽観性の高さには、「他者によって笑わされる傾向が強いこと」や「愛想笑いの傾向が低いこと」などが関連していることも示唆された。
報告は、「お笑いライブのような、皆で楽しさを共有できる文化的な体験が、ストレス軽減や気分の改善に有効な手段となり得ることを示唆している」とまとめている。
「お笑いライブ鑑賞でストレス軽減・楽観性向上を確認 ― 本学研究成果が国際学術誌に」(弘前大学) https://www.hirosaki-u.ac.jp/topics/103205/
「Unlocking optimism in everyday life: a short-term study on the power of live comedy to reduce stress and anxiety in general public」(Health Psychology and Behavioral Medicine) https://doi.org/10.1080/21642850.2025.2493141