人間は一定の割合で徐々に老化するのではなく40歳代半ばと60歳代前半に急激に進行する!?

 スタンフォード大学 Xiaotao Shen 氏らの報告。研究成果は、2024年8月14日 「nature aging」に掲載。

 米カリフォルニア州の25歳から75歳までの108人が対象。1~7年間にわたり、3~6カ月おきに血液・便・皮膚・口腔・鼻腔のサンプルを採取。研究チームは提供されたサンプルから13万5000種類のRNAやタンパク質、代謝物、細菌、ウイルス、真菌などを分析し、これらの分子や微生物の量がどのように変化するかを追跡。

 その結果、40歳代半ばと60歳代前半に調整障害につながる生体分子の変化が集中していることが判明。(下図参照)

 40歳代半ばではカフェイン、アルコール、脂質の代謝や心血管疾患に関連する分子の量に大きな変化が見られた。60歳代前半には免疫、炭水化物代謝、腎機能に関わる分子の量に大きな変化が見られた。さらに、皮膚や筋肉の加齢に関連する分子については、40歳代半ばと60歳代前半の両方で大きな変化が観察された。

 報告は、「人間は一定の割合で徐々に老いるのではなく、人生で急激に老化が進むポイントが2回存在する。今回の報告は、筋肉の減少が急激な時期に運動量を増やすなど、介入策を絞り込むのに役立つ可能性がある」とまとめている。


「Nonlinear dynamics of multi-omics profiles during human aging」(nature aging)
 https://www.nature.com/articles/s43587-024-00692-2