「糖尿病診療ガイドライン2024(日本糖尿病学会)」における運動療法について(healthy-life21.com)

 一般社団法人日本糖尿学会が、2024年5月30日 最新のエビデンスを反映し5年ぶりに改訂した「糖尿病診療ガイドライン2024」(医師・医療スタッフ向け、全527頁、PDFファイルでも提供されている)より「第4章 運動療法」の一部を紹介。

 以下「第4章 運動療法」の一部のポイントのみを記載

Q4-2 運動療法を開始する前に医学的評価( メディカルチェック) は必要か?

【ポイント】
・ 運動療法を開始する前に糖尿病の代謝コントロール状態、網膜症、腎症、末梢神経障害、自律神経障害などの合併症や、整形外科的疾患などを含む身体状態を把握し、運動制限の必要性を検討する。
・ 心血管疾患のスクリーニングに関しては、一般的には無症状、かつ、行う運動が軽度~中強度の運動 (速歩など日常生活活動の範囲内) であれば必要ないが、普段よりも高強度の運動を行う場合や、心血管疾患リスクの高い患者、現在座っていることがほとんどの患者が中強度以上の強度の運動を開始する場合は、主治医によるスクリーニングと、必要に応じて運動負荷試験などを考慮する。

Q4-3 具体的な運動療法はどのように行うか?

【ポイント】
・ 有酸素運動は、中強度で週に150分かそれ以上、週に3回以上、運動をしない日が2日間以上続かないように行い、レジスタンス運動は、連続しない日程で週に2~3回行うことがそれぞれ勧められ、禁忌でなければ両方の運動を行う。

Q4-4 運動療法以外の身体を動かす生活習慣( 生活活動) は糖尿病の管理にどう影響するか?

【ポイント】
・ 現在の身体活動量を評価し、生活活動量を含めた身体活動の総量を増加させる。
・ 日常の座位時間が長くならないようにして、合間に軽い活動を行うことが勧められる。


「糖尿病診療ガイドライン2024」(日本糖尿学会)
 https://www.jds.or.jp/modules/publication/index.php?content_id=4


〔管理者コメント〕

 有酸素運動、レジスタンス運動の実施方法、運動処方の実際の内容等について大変充実しており、健康づくり身体活動に携わる者は理解しておきたい。