わずか40秒のスプリントインターバルエクササイズで大きな運動効果 -加齢に伴う大腿部の筋肉量の減少を食い止める一助となることを期待-(国立スポーツ科学センター 他)

 国立スポーツ科学センター 山岸 卓樹氏、早稲田大学スポーツ科学学術院 川上 泰雄 氏らの研究グループの報告。2024年4月12日早稲田大学のホームページで公表。研究成果は2024年4月11日「Medicine & Science in Sports & Exercise」に掲載。

 14人の健康な男性 (年齢27.1±4.8歳、身長169.6±6.0cm、体重64.5±8.4kg、VO2peak47.2±7.7ml/kg/min) が対象。自転車エルゴメータを用いて総運動時間(40秒)とスプリント時間と休憩時間の比率(1:8)を運動課題間で統一した「10秒の全力スプリントを80秒の休憩時間を挟んで4本」と「20秒の全力スプリントを160秒の休憩を挟んで2本」を運動課題としてクロスオーバーで実施。全身および筋肉の酸素消費量ならびに大腿部の主要筋(外側広筋 、大腿直筋、内側広筋、中間広筋、大内転筋、大腿二頭筋長頭、半腱様筋、半膜様筋)の活動を測定。

 結果

 10秒以上のスプリントを反復した場合、2本目以降は全身および筋肉の酸素消費量の増加が頭打ちになった。筋肉の酸素消費量は、10秒と比較し20秒スプリントで増大。(上図参照)

 いずれの運動課題も大腿部の主要な筋の活動は有意に増大。


 報告は、「週に1~2回程度、定期的に20秒の全力スプリント2本を実施することで全身持久力の指標である最大酸素摂取量や大腿部の筋肉量、筋力の改善が期待できる。本研究で用いた運動様式は、加齢に伴う大腿部の筋肉量の減少を食い止める一助となることが期待される」とまとめている。


「わずか40秒の運動で身体に起こる劇的変化 -強度の工夫で短時間でも大きな運動効果-」(早稲田大学)
 https://www.waseda.jp/inst/research/news/77216
「Physiological and Metabolic Responses to Low-Volume Sprint Interval Exercises: Influence of Sprint Duration and Repetitions」(Medicine & Science in Sports & Exercise)
 https://journals.lww.com/acsm-msse/abstract/9900/physiological_and_metabolic_responses_to.483.aspx