愛知医科大学医学部 中村 二郎 氏らの研究グループによる報告。2024年03月07日一般社団法人日本糖尿病学会のホームページにて公表。研究成果は「糖尿病」2024年67巻2号に掲載。
全国208施設から糖尿病症例68,555名、非糖尿病症例164,621名(計233,176名)が対象。アンケート調査方式で、2011~2020年の10年間における死因を解析した結果。
以下結果の要約(一部抜粋)
糖尿病症例における死因の第1位は悪性新生物38.9%(肺癌7.8%,膵癌6.5%,肝臓癌4.1%)、第2位は感染症17.0%、第3位は血管障害10.9%(脳血管障害5.2%、虚血性心疾患3.5%、慢性腎不全2.3%)。悪性新生物の増加および血管障害の減少傾向は継続。虚血性心疾患のほとんどが心筋梗塞で、虚血性心疾患以外の心疾患が9.0%と高率で、ほとんどが心不全。糖尿病性昏睡は、0.3%と低率。(上図参照)
非糖尿病症例と比較して糖尿病症例では、悪性新生物、感染症、慢性腎不全、虚血性心疾患および心不全の比率が有意に高く、脳血管障害の比率は有意に低かった。
糖尿病症例の平均死亡時年齢は、男性74.4歳、女性77.3歳。日本人一般の平均寿命に比して、それぞれ7.2歳、10.4歳短命。前回調査と比べて男性で3.0歳、女性で2.2歳の延命が認められ、日本人一般の平均寿命の伸び(男性2.0歳、女性1.4歳)より大きく、日本人一般の平均寿命と糖尿病症例の平均死亡時年齢の差は縮小。
「アンケート調査による日本人糖尿病の死因 -2011~2020 年の10 年間,68,555 名での検討-」を発表しました(日本糖尿病学会)
http://www.jds.or.jp/modules/important/index.php?content_id=359