院内がん登録2011年の10年生存率は53.5%。あわせて、国際分類による小児がん、AYA世代のがんの10年生存率を初集計!(国立がん研究センター)

 2024年1月25日 国立研究開発法人国立がん研究センターは、国が指定するがん診療連携拠点病院等を含む院内がん登録実施施設から収集した院内がん登録情報を用いて、2011年診断例の10年生存率集計結果を報告書(全83頁)にまとめて公表。

 2011年にがんと診断された341施設363,521例のネット・サバイバル集計※1による全がんの10年生存率は53.5%。前回調査(2010年)より0.2ポイント上昇。部位別は、前立腺がんで85.4%、乳がん(女性)で82.9%、大腸がんで57.9%、胃がんで56.8%など。(上図参照)

 あわせて、国際分類による小児がん、AYA世代※2のがんの10年生存率をがん種別に初集計。
 小児がんにおける白血病は5年実測生存率88.4%、10年実測生存率86.2%で、脳腫瘍は5年実測生存率73.5%、10年実測生存率71.5%と、5年から10年での生存率の低下はあまりみられなかった。
 AYA世代のがんにおける脳・脊髄腫瘍は5年実測生存率83.5%、10年実測生存率77.8%で、子宮頸部・子宮癌は5年実測生存率88.6%、10年実測生存率87.2%と、がん種によって5年から10年での生存率の低下は様々だったと報告。

※1 ネット・サバイバル集計
 相対生存率と同様にがんによる生存への影響を把握する目的で使用され、「がんのみが死因となる場合の生存率」自体を推計する方法。相対生存率は、生存率の高いがん種において理論上100%以上になることが生じるなど課題も多く、純生存率(Net Survival、Pohar-Perme法)が開発された。この方法は国際的にも広く採用されている。

※2 AYA世代
 Adolescent and Young Adult(思春期・若年成人)の頭文字をとったもので、主に、思春期(15歳~)から30歳代までの世代を指す。


「院内がん登録2011年10年生存率集計 公表 小児がん、AYA世代のがんの10年生存率をがん種別に初集計」(国立がん研究センター)
 https://www.ncc.go.jp/jp/information/pr_release/2024/0125_2/index.html