「実年齢より上」の自覚は生活機能の低下と要介護リスクを増加させる!(畿央大学 他)

 畿央大学理学療法学科 高取 克彦 氏らの報告。2024年1月10日に畿央大学ホームページで公表。研究成果は、日本老年医学会雑誌2023年60巻に掲載。

 KAGUYA(Keeping Active across Generations Uniting the Youth and the Aged)プロジェクトの高齢者縦断調査に参加した地域在住高齢者で2016年に郵送式調査を行い、2019年に追跡調査が可能であった2,323名が分析対象。

 2016年時調査時に、「気持ちの年齢」という問いで「年相応」「実際の年齢より若い」「実際の年齢より上」の選択肢を設定し主観的年齢を把握。他に、高次生活機能(老研式活動能力指標およびJST版活動能力指標)、抑うつ(Geriatric Depression Scale-5)、自己効力感(Geriatric Self-efficacy Scale)、運動習慣の定着状況(週1回以上)などの調査結果と3年後の2019年の追跡調査結果より、要介護認定の新規発生状況を確認。主観的年齢と要介護状態の新規発生の関係を検討。

 ベースライン時において「実際の年齢より上」群は高次生活機能、一般性自己効力感が有意に低く、他群に比較して週1回以上の運動を行っている者が少なかった。また「実際の年齢より上」群は他群に比較して新規要介護発生が多く、反対に「実際の年齢より若い」群では少なかった。

 新規要介護認定を従属変数としたロジスティック回帰分析の結果では、他の因子を調整しても「実際の年齢より若い」群を基準とした場合「実際の年齢より上」群の新規要介護リスクは約3.3倍(OR=3.33,95%CI:1.02~10.94,p=0.047)。(上図参照)

 報告は、「地域在住一般高齢者において自覚的な年齢が暦年齢を超える者は、将来の生活機能を低下させ、要介護リスクを増加させる可能性がある」とまとめている。


「高齢者では「気持ちの年齢」が実年齢を超える場合、生活機能の低下と要介護リスクを増加させる可能性 :KAGUYAプロジェクト高齢者縦断調査より〜理学療法学科」(畿央大学)
 https://www.kio.ac.jp/topics_press/82680/
「地域在住高齢者における主観的年齢と高次生活機能および新規要介護認定との関係」(日本老年医学会雑誌2023年60巻)
 https://www.jstage.jst.go.jp/article/geriatrics/60/4/60_60.373/_article/-char/ja/