オーストラリア・シドニー大学 Emmanuel Stamatakis氏らの報告。研究成果は、2023年7月27日「JAMA Oncology」に記載。
英国バイオバンクで「普段運動をしていない」と申告した成人22,398人が対象。ウェアラブルデバイスのデータを収集し、短時間(1分以内および2分以内)の日常生活中の高強度の断続的な身体活動(非常に速い速度で歩いたり、階段を上ったり など)とがん発生との関係を6~7年間追跡調査。
追跡調査中に、合計2,356件のがんを発症。うち1,084件は身体活動と関連することが示されているがん(肺がん、腎臓がん、膀胱がん、胃がんなど)。
高強度の断続的な身体活動を行わない場合と比較して、高強度の身体活動持続時間の中央値が1分までで1日当たり合計4.5分の場合、がん全体の発症リスクは(ハザード比(HR)0.80、95%信頼区間(CI)0.69-0.92)。身体活動と関連することが示されているがんの発症リスクは(HR、0.69;95%CI、0.55-0.86)(上図参照)。
最小量は1日3.4分で、がん全体の発症リスクは(HR、0.83;95%CI、0.73-0.93)、身体活動と関連することが示されているがんの発症リスクは1日3.7分で(HR、0.72;95%CI、0.59-0.88)。
報告は、「運動ができない集団や意欲のない集団にとって、毎日僅か4~5分の断続的な短い高強度の身体活動の継続が、がん予防の有望な介入になる可能性がある」とまとめている。
「Vigorous Intermittent Lifestyle Physical Activity and Cancer Incidence Among Nonexercising Adults」(JAMA Oncology)
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC10375384/