男性の冠動脈疾患(狭心症、心筋梗塞)の有病率は、「301人以上の企業」に対し「21~100人の企業」は約2倍高い結果(富山大学)

 富山大学 山田 正明 氏らの報告。2022年10月19日「INDUSTRIAL HEALTH」に掲載。

 2016年に日本の富山県で年次健康診断を受けた10,572人の労働者(平均年齢49.9歳)が対象。企業規模は常勤労働者数(1~20人、21~100人、101~300人、301人~)に応じて4段階に分類。業種区分は10区分に分類。健康診断の問診で「狭心症や心筋梗塞で薬を服用中」と答えた人を「冠動脈疾患有り」と定義して比較検討。

 結果

 全体の1.5%が冠動脈疾患有りに該当。所属企業の従業員数で分類すると「1~20人の企業」1.6%、「21~100人の企業」1.8%、「101~300人の企業」1.5%、「301人以上の企業」0.8%。年齢や運動習慣などの要素を加味して調整した結果、「301人以上の企業」基準とすると「21~100人の企業」はオッズ比2.02(95%信頼区間1.01–4.02)で、約2倍高い結果。(上図参照)

 報告は、「冠動脈疾患の潜在的なリスク要因として、従業員の作業環境を考慮する必要がある」とまとめている。


「Prevalence of coronary heart disease and its risk factors by working environment among Japanese male workers」
 https://www.jstage.jst.go.jp/article/indhealth/advpub/0/advpub_2022-0149/_article