週1回以上の睡眠薬使用で全死亡リスクが1.32倍に!-日本人約10万人対象の多施設共同コホート研究-(佐賀大学病院 他)

 佐賀大学病院 祖川 倫太郎 氏らの報告。2022年9月28日「Sleep Medicine」に掲載。

 2004~14年に日本多施設共同コーホート研究(J-MICC Study)に参加した35歳から69歳の日本人の睡眠薬の使用と死亡について追跡調査。死亡リスクが高いがんの既往歴がある者などを除外した92,527人が対象。睡眠薬の定期的な使用は自己記入式アンケートを用いて評価。睡眠時間および併存疾患(糖尿病、循環器疾患、BMI、虚血性心疾患、脳卒中など)などの共変量を調整したCox比例ハザードモデルを用いて全死亡のハザード比(HR)を算出。

結果

 追跡期間中(平均8.4±2.5年)。1,492人が死亡。睡眠薬の使用率は4.2%。

 睡眠薬の非使用群に対し使用群は全死亡リスクが1.32倍高かった(HR 1.32、95%CI 1.07~1.63)。このリスクは、男性使用群は1.51倍(同1.51、1.15~1.96)および60歳未満の使用群は1.75倍(同1.75、1.21~2.54)でより高い結果。(上図参照)

 報告は、「睡眠薬の使用と全死因死亡率との間の性年齢固有の関連性を明らかにした」とまとめている。


「Sex-and age-specific all-cause mortality in insomnia with hypnotics: Findings from Japan multi-institutional Collaborative Cohort Study」
 https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S1389945722011480