1週間に150-300分の中強度身体活動、75-150分間の高強度身体活動は心不全リスクを大幅に下げる!

 英国グラスゴー大学 Frederick K. Ho 氏らの報告。2022年8月29日「Circulation」に掲載。

 2013年から2015年の間に英国バイオバンク(遺伝や環境が疾患に及ぼす影響を調査する長期大規模コホート研究。2006~10年に英国在住で37~73歳の50万人以上が登録)のデータからランダムに抽出した心不全と診断されておらず心臓発作も起こしていない94,739人(平均年齢56歳、57%が女性、96.6%が白人)が対象。身体活動の強度と持続時間は、1日24時間、7日間連続して手首に加速度計を装着して軽強度、中強度、高強度の身体活動に費やした時間を測定。平均6.1年間追跡。心不全は病院の死亡記録から確認。

 結果、心不全の全発生率は、6.1年の追跡期間中、10,000人年当たり98.5人。

 中強度から高強度の身体活動を行っていない対象者と比較して、150~300分/週の中強度身体活動(ハザード比:0.37[95%CI:0.34~0.41])および75~150分/週の高強度身体活動(ハザード比:0.34[95%CI:0.25~0.46])は心不全リスクが低かった。(上図参照)

 併せて、高強度の身体活動と心不全との関連は逆J字型であり、150分/週を超えるとリスク低減が低くなる可能性があることが示された。

 報告は、「心不全リスクを下げるには、現在推奨されている高強度の身体活動は奨励されるべきであるが、上限以上増加させるべきではない。一方、中強度身体活動を増やすことは、現在の推奨を満たしている人であっても有益である可能性がある」とまとめている。


「Association Between Device-Measured Physical Activity and Incident Heart Failure: A Prospective Cohort Study of 94 739 UK Biobank Participants」
 https://www.ahajournals.org/doi/10.1161/CIRCULATIONAHA.122.059663


〔参考〕