コロナ禍の身体活動量には所得格差、学歴格差がある(神戸大学)

 神戸大学大学院人間発達環境学研究科の 喜屋 武享 氏、琉球大学医学部の 高倉 実 氏の報告。2022年3月18日「Public Health」に掲載。

 笹川スポーツ財団が人口割合や地域規模を考慮した精緻な調査法により収集した2020年のデータ(スポーツライフデータ)を使用。2,296人(1,103人の女性)の参加者のデータを分析。身体活動は、世界標準化身体活動質問票(GPAQ:Global Physical Activity Questionnaire)使用して評価。学歴と所得を社会経済的地位の指標として使用。格差勾配指数(SII:Slope Index of Ineruality)と格差相対指数(RII:Relative Index of Ineruality)を求めて比較検討。

結果

 仕事、余暇、移動に関する身体活動や座位行動において、所得や学歴による格差が認められた。中でも余暇の身体活動は格差が大きく、低所得、低学歴ほど少ないことがわかった。仕事の身体活動は、他の場面の身体活動とは逆に、低学歴ほど長いことがわかった。(上図参照)

 報告は、「本研究では、仕事、余暇、移動に関する身体活動や座位行動において、所得や学歴による格差が認められた。中でも余暇の身体活動において著しい社会経済的格差があることが明らかになった。これらの結果は、COVID-19の大流行による格差の拡大を示唆している」とまとめている。


「コロナ禍の身体活動量には社会経済格差がある」(神戸大学)
 https://www.kobe-u.ac.jp/research_at_kobe/NEWS/news/2022_04_05_02.html