米国Massachusetts総合病院のRoy H. Perlis氏らの報告。2021年11月23日に「JAMA Network Open」に掲載。
全米50州で18歳以上の成人を対象に、2000年5月~2021年5月にほぼ毎月実施されたインターネット調査データを使用して、2021年7月と8月にSNSの利用と抑うつ症状の関連を検討した結果。
調査内容は、PHQ-9(Patient Health Questionnaire)を用いた抑うつ症状のチェック。SNS(Facebook、Instagram、LikedIn、Pinterest、TikTok、Twitter、Snapchat、YouTube)の使用経験。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)関連のニュース源。重視しているニュース源。利用可能な社会的サポート。家族以外で過去1日に直接会話をした人の人数など。
分析対象は、初回の調査でPHQ-9スコアが5点以下だった8,045人のうち、2回目の調査にも回答した5,395人。回答者の平均年齢は55.8歳(標準偏差15.2歳)で、65.7%が女性。ベースラインのPHQ-9スコアの平均は1.29点(SD 1.43点)。
2回目の調査時に482名がPHQ-9スコアが5ポイント以上悪化したと報告。共変数を調整した分析で、SNSのうち症状発現/悪化の調整オッズ比が最も高かったのは、Snapchat(aOR, 1.53; 95% CI, 1.19-1.96)。以下 Facebook(aOR, 1.42; 95% CI, 1.10-1.81)、 TikTok(aOR, 1.39; 95% CI, 1.03-1.87)。それ以外のSNSでは、抑うつ症状スコアの増加は有意ではなかった。対象者の年齢を35歳以上と35歳未満に分けて調べると、年齢によるリスクの違いが見られた。(上表参照)
報告は、「当初はうつ症状がなかった人でも、一部のSNSを使用している人に、抑うつスコアが増加していく傾向が見られた。SNSとうつの関係をさらに深く調べる研究が必要」とまとめている。
「Association Between Social Media Use and Self-reported Symptoms of Depression in US Adults」
https://jamanetwork.com/journals/jamanetworkopen/fullarticle/2786464