大阪大学キャンパスライフ健康支援・相談センターの中西香織氏らの報告。2021年11月19日「Scientific Reports」に掲載。
健康診断を受検した基礎疾患のない男性398名(37歳から49歳、平均42歳)が対象。身体計測、血液検査、問診による生活習慣調査と血清FGF21※との関連について解析。
結果、FGF21値は年齢、肝機能に影響されるだけでなく、朝食の摂取状態、飲酒状態、喫煙状態の生活習慣が、血中濃度を変化させることを確認。GF21の血清レベルは、朝食の摂取頻度(τ=-0.12、p <0.0001)、飲酒頻度(τ=0.15、p<0.0001)および毎日のアルコール摂取量(τ=0.08、p=0.0237)、喫煙状態(τ=0.14、p<0.0001)と正の相関を示した。(下図参照)
報告は、「朝食抜き、毎日飲酒、喫煙の生活習慣はFGF21の血中濃度を変化させており、FGF21のもつ抗肥満作用にも影響を及ぼしている可能性が示唆された。これらの生活習慣改善が肥満症の予防につながることが期待される」とまとめている。
※血清FGF21(Fibroblast growth factor 21 、線維芽細胞増殖因子21)
糖脂質代謝を改善するなどの抗肥満症効果を持つことから、2型糖尿病やアルコール性脂肪肝炎(NASH)などの肥満関連疾患の新しい治療戦略として期待されている。
「Serum FGF21 levels are altered by various factors including lifestyle behaviors in male subjects」
https://www.nature.com/articles/s41598-021-02075-8