大阪大学大学院医学系研究科腎臓内科学の大学院生の尾崎晋吾氏、キャンパスライフ健康支援・相談センターの山本陵平氏らの研究グループの報告。2021年10月26日「Annals of Nutrition and Metabolism」に掲載。
大阪大学職員10,819人の2005年1月〜2013年3月の職員健診データを利用して、初回健診受診時の「野菜は好きですか」という質問に対して「好む」、「普通」、「嫌う」と回答した対象者のその後の健診での蛋白尿(尿蛋白1+以上)を発症するリスクを分析。
男性は、2,831名が「好む」、2,249名が「普通」、104名が「嫌う」と回答。女性は、3,902名が「好む」、1,648名が「普通」、85名が「嫌う」と回答。
「嫌う」と回答した職員は、「好む」と回答した職員よりも、蛋白尿のリスクが男性で1.59倍、女性で1.95倍上昇していることが明らかになった。観察期間(中央値)5.0年の間に、男性650名(12.7%)と女性789名(14.1%)に蛋白尿の発生が認められた。男性の「好む」「普通」「嫌う」グループの多変量調整ハザード比は、それぞれ1.00 [reference]、1.05 [0.90-1.23]、1.59 [1.01-2.50])。女性は、それぞれ、1.00 [reference]、1.20 [1.04-1.40]、1.95 [1.26-3.02])。(上図参照)
報告は、「『野菜は好きですか』というシンプルな質問が、腎臓病のリスクが高い人を見つけるのに役立つことが示唆された。食生活の改善が腎臓病の予防につながる可能性がある人たちをいち早く見つけ出すために、日常的な診療や保健指導の現場において広く活用されることが期待される」とまとめている。
「野菜は好きですか?」でわかる腎臓病のリスク(大阪大学)
https://resou.osaka-u.ac.jp/ja/research/2021/20211109_3
「Vegetable Preference and Prediction of Proteinuria: A Retrospective Cohort Study」
https://www.karger.com/Article/Abstract/520044