座位時間が長く、余暇の身体活動が少ないと脳卒中リスクが4.5倍!若い時から身体活動を増やし、座位時間を減らすことが大切!

 カナダのカルガリー大学などの研究グループによる報告。2021年8月19日アメリカ心臓協会(AHA:American Heart Association)が刊行する医学誌「Stroke」に掲載。

 2000年、2003年、2005年、2007~2012年に、コホート研究「カナダ地域保健調査」に参加した、脳卒中・心臓病・がんと診断されたことのない成人約14万3,000人を対象に、健康と生活スタイルの関連を調べた結果。

 余暇の座位時間は1日当たり、「4時間未満」、「4~6時間未満」、「6~8時間未満」、「8時間以上」に分類。過剰座位時間は8時間以上と定義。余暇の身体活動は、週単位のエネルギー消費量として測定し。身体活動の頻度と時間、代謝量を用いて算出。四分位数により4つのカテゴリーに分類。

 平均9.4年間追跡。2,965回の脳卒中の発生を確認。調査回答から脳卒中発症までの期間の中央値は脳卒中発症までの期間の中央値は5.6年。参加者の1日の余暇の座りがちな時間の平均は4.08時間。年齢別にみると、60歳以下では3.9時間、60~79歳で4.4時間、80歳以上で4.3時間。

 脳卒中のリスクは座位時間が8時間以上の60歳未満で身体活動が最も低い四分位の人でのみ有意に上昇(完全調整ハザード比四分位値が最も低い60歳未満の人にのみ、座位時間8時間以上の脳卒中リスクが有意に上昇していた(完全調整ハザード比、4.50[95%CI、1.64-12.3])。(上図参照)

 報告は「1日8時間以上の余暇の座位時間は、長期的な脳卒中のリスク増加と関連している。AHAの統計によると、脳卒中による死亡は35〜64歳で増加傾向であることから、これらの知見は、若年者の身体活動を高め、座位時間を減らす努力を支持するものである」とまとめている。


「Association Between Excess Leisure Sedentary Time and Risk of Stroke in Young Individuals」
 https://www.ahajournals.org/doi/10.1161/STROKEAHA.121.034985