座っている時間が長いほど死亡リスクが増加する!-そのリスクは、余暇時間の運動量を増やしても、完全に抑制はされない-(京都府立医科大学大学院)

 京都府立医科大学大学院医学研究科地域保健医療疫学の小山晃英講師らの研究グループによる報告。2021年6月14日「Journal of the American Heart Association」に掲載。

 日本人6万人以上を平均7.7年間追跡した調査した「J-MICC STUDY(日本多施設共同コーホート研究)」のデータを用いて、日中の座位時間とすべての死因による死亡の関係を、生活習慣病(高血圧、脂質異常症、糖尿病)の有無と、余暇時間の運動量に分けて調べた結果。

1 全体では、日中の座位時間が2時間増えるごとに、死亡率は15%上昇。脂質異常症のある人では18%、高血圧のある人では20%、2型糖尿病のある人では27%上昇。(上図左参照)

2 日中の座位時間が2時間増えるごとの死亡リスクを高血圧、脂質異常症、糖尿病の保有数で比較すると、保有なしで死亡リスクは13%上昇。保有数1で18%、保有数2で19%。3つすべて保有で42%上昇。(上図右参照)

3 余暇の身体活動量を増やしても、日中の座位時間の長さと死亡の関連を、完全に抑制するには至らないことが明らかになった。(上図参照)

 報告者らは「座位時間が長くなったら、それを中断することが重要という報告もある。こまめに体を動かし、座位時間が続くのを防ぐ心がけが大事」とまとめている。


「座っている時間が長いほど死亡リスクが増加するその効果は、余暇時間の運動活動量を増やしても、完全に抑制されない」(京都府立医科大学日本多施設共同コーホート研究事務局)プレスリリース(PDFファイル)
 https://www.kpu-m.ac.jp/doc/news/2021/files/27489.pdf
「Effect of Underlying Cardiometabolic Diseases on the Association Between Sedentary Time and All‐Cause Mortality in a Large Japanese Population: A Cohort Analysis Based on the J‐MICC Study」
 https://www.ahajournals.org/doi/10.1161/JAHA.120.018293