乳がんを予防するためには若い頃から飲酒は控えめにすることが重要(愛知県がんセンター)

 愛知県がんセンターがん予防研究分野と国立がん研究センター等の共同研究結果。研究成果を「International Journal of Cancer」で発表。

 大規模コホート研究である多目的コホート研究(JPHC-I, JPHC-II)、JACC 研究、大崎国保コホート研究、宮城県コホート研究、三府県宮城コホート研究、三府県愛知コホート研究、放影研寿命研究の研究のデータを統合して、乳がんリスクに対する飲酒の影響を検討。

 飲酒習慣のアンケート調査結果から、飲酒頻度は「現在非飲酒」、「機会飲酒(週1日以下)」、「ときどき(週1日以上4日以下)」、「ほとんど毎日(週5日以上)」の4カテゴリーに分類。、飲酒量は 1日飲酒量で「0g」、「0-11.5g」、「11.5-23g」、「23g以上」の 4カテゴリーに分類。合計158,164人の女性を平均14年追跡。乳がんリスクに影響を与える他の要因(年齢、地域、閉経状況、喫煙、BMI、初経年齢、出産数、女性ホルモン薬の使用、余暇の運動)を統計学的に調整。非飲酒に対するその他の飲酒カテゴリーの乳がん罹患リスクを算出し、プール解析を実施。また乳がんの罹患は、閉経状態に基づき閉経前乳がんと閉経後乳がんに分け、それぞれに対する飲酒の影響を検討。

 追跡期間中に2,208例の乳がんの発生を確認。対象集団の喫煙率は60.6%、飲酒率は78.5%。調査時の閉経状態に基づいて分類した閉経前群の乳がんリスクは、飲酒頻度では非飲酒者と比較して最も頻度の高い飲酒者の群で1.37倍、飲酒量では1日摂取量が0gの群と比較して23g 以上の群で1.74 倍、乳がんの罹患リスクが高くなった。(上図参照)

 一方、閉経後群においては飲酒頻度、飲酒量ともに乳がんリスクとの有意な関連は認められなかった。

 報告者は「乳がんを予防するためには若い頃から飲酒は控えめにすることが重要」とまとめている。

「飲酒と乳がん罹患リスクの関係を大規模コホート研究のデータを用いて解明」愛知県がんセンタープレスリリース 2021.2.19(PDFファイル)
 https://www.pref.aichi.jp/cancer-center/cc/press/pdf/210219press_matsuo.pdf


〔管理者コメント〕

 たばこは吸わない。(今回の報告では、乳がん発生者の喫煙率60.6%)アルコールは飲むなら中瓶1本までで週1から2回程度までかな?