北里大学の深瀬 裕子氏らの報告。BMC Psychiatry誌2021年1月12日号に記載。新型コロナウイルスの第2波が起こっていた2020年7月に、Webベースの調査を実施、分析した結果。
対象は2,709人(平均年齢49.16歳)。うつ病のないグループは2,211人(81.65%)。うつ病の可能性のあるグループは497人(18.35%)。
(危険因子)- 上図参照
基礎疾患(オッズ比(OR) = 1.96、95%信頼区間(CI)= 1.32–2.92)
無職(OR = 1.85、CI= 1.22–2.80)
マイナスの経済的影響(OR = 1.33、CI = 1.01–1.77)
怒りの状態(OR = 1.17、CI = 1.14–1.21)
怒りのコントロール(OR = 1.08、CI = 1.04–1.13)
年齢(OR = 0.97、CI = 0.96–0.98)
年収800万円以上の高収入(OR = 0.45、CI = 0.25–0.80)
既婚(OR = 0.53、CI = 0.38–0.74)
(対処戦略)- 上図参照
計画(OR = 0.84、CI = 0.74–0.94)
機器サポートの使用(OR = 0.85、CI = 0.76–0.95)
拒否(OR = 0.88、CI = 0.77–0.99)
行動の放棄(OR = 1.28、CI = 1.13–1.44)
自己非難(OR = 1.47、CI = 1.31–1)。
報告者は「抑うつ症状の有病率はCOVID-19パンデミックの前の2〜9倍だった。いくつかの対処戦略はメンタルヘルスを維持するのに役立つが、危険因子のもたらす影響は強力であり、リスクの高い人には注意が必要」とまとめている。
〔管理者コメント〕
うつ病の危険因子として基礎疾患の有無と同時に経済格差の影響が大きいことが見て取れる。
視点は異なるが、経済格差は健康格差を生じる!
(本サイト内)(解説)所得格差(経済格差)は健康格差を生じる”所得により生活習慣や食生活に差” (healthy-life21.com)
https://healthy-life21.com/2020/01/18/20200118/