がんの2010-12年の5年相対生存率は68.6%、2004-07年の10年相対生存率は58.3%(国立がん研究センター)

 2020年11月19日、国立研究開発法人 国立がん研究センターは、全国がんセンター協議会の32の加盟施設で、2004年~2007年に診断治療を行った患者の10年生存率、2010年~2012年にがんの診断治療を行った患者の5年生存率を更新。
 上図は、2004年~2007年にがんの診断治療を行った約9万4千症例を集計分析した10年相対生存率の結果。
 全がんの10年相対生存率は58.3%で、前回(2003年から2006年)から1.1ポイント上昇。前立腺、乳、甲状腺や子宮体が8割を超える一方、早期発見、早期治療が難しいとされる膵臓は1割に満たないなど部位別の差が見られる。
 また、病期(ステージ)による差が大きく、たとえば胃であればⅠ期90.8%、Ⅱ期58.6%、Ⅲ期37.0%、Ⅳ期5.9%で、定期的な検診による早期発見が重要な結果となっている。

注)示されたデーターは調査対象時のもの。現在の治療や診断の技術は、調査対象時よりもはるかに進歩している。

相対生存率
 生存率には実測生存率と相対生存率がある。実測生存率とは、死因に関係なくすべての死亡を計算に含めた生存率で、がん以外の死亡率も含まれる。相対生存率は、がん以外の死因による死亡などの影響を取り除いたもの。

全国がんセンター協議会
 「全がん協加盟施設の生存率協同調査」
  http://www.zengankyo.ncc.go.jp/etc/seizonritsu/seizonritsu2013.html


〔管理者コメント〕

 定期的ながん検診の受診が早期発見に結び付くことは間違いありません。