3大死因に変化が!老衰が3位に!!(厚生労働省)

 厚生労働省が、6月7日に発表した2018年の人口動態統計月報年計(概数)の結果。
 平成30 年の死亡数を死因順位別にみると、第1位は悪性新生物<腫瘍>で37 万3547人(死亡率(人口10 万対)は300.7)、第2位は心疾患(高血圧性を除く)で20万8210人(同167.6)、第3位は老衰で10万9606 人(同88.2)、第4位は脳血管疾患で10万8165 人(同87.1)だった。
 死因の1位、2位は、これまで同様、悪性新生物(腫瘍)、心疾患(高血圧性を除く)だったが、三大死因の1つに、初めて「老衰」が加わった。「老衰」は、この十数年、右肩上がりで上昇し続けている。
 「老衰」と「肺炎」の死因の変化には、2017年4月に発表された『成人肺炎診療ガイドライン2017』(日本呼吸器学会)の影響が大きいと考えられている。同ガイドラインでは、人生の最終段階や疾病による終末期の肺炎は、加齢や疾病に伴う身体機能の低下が要因であり、これを治療してもまた、繰り返し、患者に苦痛を与えることになる。そのため、治療方針として「患者のQOL※を重視した治療・ケア」を行うことが示された。このような考え方から、これまで、死亡診断書に「肺炎」と記していたものを「老衰」と記載する医師が増加してきていることが影響していると推測される。

※QOL:「Quality of life(クオリティ オブ ライフ)」は「生活の質」などと訳され、患者の身体的な苦痛の軽減、精神的、社会的活動を含めた総合的な活力、生きがい、満足度という意味が含まれる。