山形県の一般住民を対象とした山形県コホート研究(Yamagata Study)に参加し、健康診断を受けた40歳以上の男女1万7,152人(男性40.8%)を対象に、どのくらい笑う機会があるかの頻度を「週1回以上」、「週1回未満~月1回以上」、「月1回未満」の3群に分けて比較検討した山形大学医学部看護学科教授の櫻田香氏らの検討結果。
中央値で5.4年の追跡期間中に、257人(1.5%)が死亡し、138人(0.8%)が心血管疾患を発症。解析の結果、日ごろほとんど笑わない人では、全死亡率と心血管疾患の発症率が有意に高いことが分かった(log-rank P<0.01)。
また、年齢や性、高血圧、喫煙や飲酒の習慣で調整したCox比例ハザードモデル分析の結果、週1回以上笑う人と比べて、笑う頻度が月1回未満の人では死亡リスクが約2倍に高まることが分かった(ハザード比1.95、95%信頼区間1.16~3.09)。 同様に、週1回以上笑う人と比べて、その頻度が週1回未満~月1回以上の人では心血管疾患の発症リスクは約1.6倍であった(同1.62、1.07~2.40)。
今回の結果を踏まえ、櫻田氏らは「日本人の一般集団では、“笑い”は全死亡や心血管疾患発症の独立したリスク因子である可能性が示された。心血管疾患を減らし、長寿を目指すには、日常生活でもっと笑う機会を持つ工夫が必要かもしれない」とコメントしている。
〔管理者コメント〕
経験則ですが、笑いを含めた顔の表情と健康の間には、死亡率、心血管疾患の発症率の関係だけではなくうつや認知症などを含めて多くの健康面と関係があると感じています。