週に1-2日8,000歩以上歩くことで健康を維持できる可能性を示唆(京都大学大学院 他)

 京都大学大学院医学研究科 井上 浩輔 氏、カリフォルニア大学ロサンゼルス校 津川 友介 氏らの研究グループの報告。2023年3月30日京都大学ホームページにて公表。研究成果は2023年3月28日「JAMA Network」に掲載。

 米国の国民健康栄養調査で 1週間加速度計を装着した20歳以上3,101人(平均年齢:50.5歳、女性:51%)の歩数情報を用いて、全死因と心血管疾患の死亡リスクを比較検討。

 結果

 8,000歩以上を週に1日も歩かなかった「週に0日」群は632人(20.4%)、「週に1~2日」群は532人(17.2%) 、「週に3~7日」群は1,937(62.5%) 。
 10年間の追跡調査で、すべての原因による死亡は439人(14.2%)、心血管死は148人(5.3%) 。

 全原因死亡リスクは、「週に0日」群と比較して、「週に1~2日」群は、(aRD、-14.9%; 95%CI -18.8%~-10.9%)、 「週に3~7日」群は(aRD、-16.5%; 95%CI、-20.4%~-12.5%)。(上図左参照)
 心血管死亡リスクは、「週に0日」群と比較して、「週に1~2日」群は(aRD、-8.1%; 95%CI、-11.8%%-4.4%)、「週に3~7日」群は(aRD、-8.4%; 95%CI、-12.5%~-4.4%) 。(上図右参照)

 1週間に8,000歩以上歩く日数と、全原因および心血管死亡のリスクとの関係は、1週間に8,000 歩以上歩く日数が増えるにつれて急速に減少し、3~4日で横ばいになった 。このパターンは、毎日の平均歩数を6,000歩から10,000歩まで変化させても一貫して観察。

 報告は、「本研究結果は、週に1-2日程度でも目標歩数を達成することが健康に十分良い影響をもたらす可能性を示唆。運動の時間を確保できない人や、仕事の都合上定期的な運動が難しい人でも、週に数日間だけ歩く習慣を取り入れることで健康リスクを低減できる可能性があり、現代社会の働く世代や高齢者にとって重要なエビデンスとなることが期待される」とまとめている。


「1週間の歩行パターンと死亡リスクの関連を明らかに-週2回しっかり歩くことで健康は維持できるか?-」(京都大学大学院)
 https://www.kyoto-u.ac.jp/ja/research-news/2023-03-30
「Association of Daily Step Patterns With Mortality in US Adults」(JAMA Network)
 https://jamanetwork.com/journals/jamanetworkopen/fullarticle/2802810