大阪大学大学院医学系研究科先進融合医学共同研究講座 江頭 隆一郎 氏らの報告。2022年10月14日「大阪大学発 自慢の研究をあなたに」のホームページで公表。研究成果は2022年9月5日米国科学誌「GENE」に掲載。
漢方医学の腎虚の概念に基づいた8つの候補となる質問を使って、新たな評価尺度を作成。日本で標準的に用いられるフレイルの判定指標である基本チェックリスト(KCL)、ロコモ5、日本語版フレイル基準(J-CHS)、高齢者うつ尺度、握力や歩行スピードなどの身体機能などフレイルに関する様々な診断指標と開発尺度の妥当性を比較検討。
結果
4つの質問(夜間頻尿・腰痛・下肢の冷え・体のだるさ)と年齢(75歳以上)からなる質問(上表参照)により、KCLで判定したフレイルまたはプレフレイルの状態を、奈良県三郷町の65歳以上の高齢者433名において、感度86.9%、特異度53.3%、陽性適中率62.8%、陰性適中率81.7%で診断できることを明らかにした。併せて、吹田市の65歳以上患者276名においても、ほぼ同様の結果が得られたことから、その妥当性が確認された。
報告は、「Japan Frailty Scale (JFS)により簡便にプレフレイルやフレイルに該当する患者を一定の精度で判定できることが期待される。JFSの使用により詳細な診断により利益を受ける可能性の高い患者を見分けることができ、効率的なフレイル対策に結びつく可能性があると考えられる」とまとめている。
「わずか5つの質問で簡便にフレイルを判定可能に」(大阪大学)
https://resou.osaka-u.ac.jp/ja/research/2022/20221014_1