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京都大学人間健康科学科 福間 真悟 氏らの報告。2022年7月29日「BMJ Open」に掲載。
2014年1〜12月に特定健診を受けた11万3,302例(40〜74歳)のうち、腹囲周囲径が男性85cm±6cm、女性90cm±6cmであった5万1,213例(年齢中央h値50歳、女性11.9%)が対象。
主要評価項目は、介入後3年間の医療機関利用(外来受診日数、投薬回数、入院回数)および医療費(総医療費、外来医療費、入院医療費)。2015年1月~19年12月の医療費請求データとフォローアップの結果を解析した結果。
特定保健指導は、外来の受診日数の減少と関連 (-1.3 日、95% CI: -11.4 から -0.5、p=0.03)していたが、投薬(-3.8%ポイント(pp)、95% CI:-9.0〜1.4pp、P=0.15)、入院(-1.2pp、95% CI:7.2〜4.1、P=0.59)との有意な関連はなかった。
医療については、総医療費(-1,138米ドル、95%CI:-4,506〜932米ドル、P=0.20)、外来医療費(46米ドル、95%CI:-2,063〜1,572米ドル、P=0.79)、入院医療費(-1,214米ドル、95%CI:-2932〜68米ドル、P=0.06)のいずれの増減とも有意な関連は認められなかった。
報告は、「特定保健指導は、外来患者の訪問日数の減少と関連していたが、医療費、投薬回数、入院回数とは関連していなかった。特定保健指導の介入を再評価して、その効率と有効性を改善する必要があることを示唆している」とまとめている。
「Impact of the national health guidance intervention for obesity and cardiovascular risks on healthcare utilisation and healthcare spending in working-age Japanese cohort: regression discontinuity design」
https://bmjopen.bmj.com/content/12/7/e056996.long