米 Rush University Medical Center の Klodian Dhana 氏らの報告。2022年4月13日に「BMJ:British Journal of Sports Medicine」に掲載。
アルツハイマー型認知症の危険因子を検討するコホート研究CHAP(Chicago Health and Aging Project)に参加した認知症既往歴がない65歳以上の2,449人(平均年齢76歳、女性1,540人、男性909人)が対象。
質問票を用いて詳細な食事と生活習慣の5つの因子 1 地中海‐DASH食を組み合わせた神経変性遅延のためのMINDダイエット(全粒穀物、緑色葉野菜、ベリーが豊富で、ファストフード、揚げ物、赤身肉が少ない)、2 晩年の認知機能を刺激する活動(読書、美術鑑賞、クロスワードパズルなど)、3 少なくとも週に150分の身体活動、4 禁煙、5 低〜中程度の飲酒(純アルコール摂取量:女性1~15g/日、男性1~30g/日)を調査。各因子について、健康と評価された場合は1点、健康でないと評価された場合は0点とし、5項目を合計して健康的なライフスタイルスコア(範囲0~5点)を算出。4~5点を「健康的な生活習慣」、0~1点を「非健康的な生活習慣」として分析。
平均余命
「健康的な生活習慣」の女性の平均余命は24.2年(95%信頼区間22.8~25.5)、「非健康的な生活習慣」の平均余命は21.1年(19.5~22.4)で 3.1年長かった。男性の平均余命は23.1年(21.4~25.6歳)、「非健康的な生活習慣」の平均余命は17.4年(15.8~20.1)で5.7年長かった。
アルツハイマー型認知症で過ごした期間
アルツハイマー型認知症で過ごした期間は、「健康的な生活習慣」の女性は残りの年の10.8%(2.6年、2.0~3.3年)、「非健康的な生活習慣」の女性は19.3%(4.1年、3.2~5.1年)。「健康的な生活習慣」の男性は6.1%(1.4年、0.3〜2.0年)、「非健康的な生活習慣」の男性は12.0%(2.1年、0.2〜3.0年)。(上図参照)
報告は、「健康的な生活習慣は平均余命の延伸に関連し、残りの人生におけるアルツハイマー型認知症なしに過ごせる年数を増やす可能性があることが分かった」とまとめている。
「Healthy lifestyle and life expectancy with and without Alzheimer’s dementia: population based cohort study」
https://www.bmj.com/content/377/bmj-2021-068390