日本における65歳以上の認知症有病率の将来予測(敦賀市立看護大学)

 敦賀市立看護大学の中堀 伸枝氏らの報告。2021年10月26日「BMC Geriatrics」に掲載。

 富山県認知症高齢者実態調査の1985年、1990年、1996年、2001年、2014年の性別と年齢別の認知症の有病率を用いて認知症推定将来有病率を算出。次に、推定有病率に、2020年から2045年までの47都道府県の65歳以上の推定将来人口に性別と年齢を掛け、合計して認知症患者の総数を計算。認知症の推定将来有病率は、計算した認知症患者数を、47都道府県の65歳以上の推定将来人口で割り求めた。

 結果
 2020年の認知症の推定有病率はどの都道府県でも20%を超えなかった。
 2025年には5県(長野県、島根県、高知県、富山県、山口県)で20%を超えると予測。
 2030年には全国で20%を超えると予測。

 2035年には42道府県で25%を超えると予測。(上図参照)

 2045年には、東京を除くすべての道府県で認知症の有病率が25%を超え、12県(秋田県、宮崎県、鹿児島県、山形県、長崎県、福島県、熊本県、島根県、大分県、青森県、鳥取県、高知県)で30%を超えると予測。(上図参照)

 報告は、「今後25年間で、65歳以上の認知症の有病率は、大都市圏を含むほぼ全国で25%を超えると予測された」とまとめている。


「Future projections of the prevalence of dementia in Japan: results from the Toyama Dementia Survey」
 https://bmcgeriatr.biomedcentral.com/articles/10.1186/s12877-021-02540-z