(解説)現状を分析して傾斜をつけたアプローチを!(healthy-life21.com)

 上図は健康格差を解消するにはどのようなアプローチが望ましいかを表した風刺画です。図の左は、対象集団に同じように支援をしても真に支援の必要な方には効果が望めないことを表しています。支援自体は平等であっても恩恵には差を生じます。中は、対象集団一人ひとりの現状に合わせて傾斜をつけてアプローチすることによりみんなが恩恵を得ることができています。右は対象集団の支援の必要のない方に支援をして、支援の必要な方に支援ができていないことにより格差を広げ、支援自体が無駄になって、集団の状態は支援前よりも悪くなっています。
 災害時などにおいて初期はとにかく早さが大切で、ある程度全体が把握できた段階で「平等」なアプローチが必要になります。これに対して中期、長期的にはしっかりと現状を分析したうえで傾斜をつけた「公正」なアプローチが求められます。ところが集団の状態を正しく把握できていない状態で支援を続けると「現実」のような状態に陥ります。この度の新型コロナウイルス対策をあてはめれば思い当たることがあるのではないでしょうか。下図は、これを専門的に表しています。


 このことは、個人の健康づくりの取り組みにおいてもまったく同じことが言えます。大変良好な身体活動習慣を持っていてもたばこや飲酒習慣に問題を有する方が、さらに身体活動に取り組んでもほとんど健康状態の改善は望めません。良好な持久力を持っていても柔軟性や筋力に劣る方がさらに持久力向上のためにエアロビック運動に取り組んでも全体的な身体活動能力の向上はほとんど望めません。

 健康づくりにおいても自分自身の健康状態、生活習慣等を正しく把握した上で適切に傾斜をつけた取り組みを行うことが大切です。


〔参考〕

(本サイト内)(解説)所得格差(経済格差)は健康格差を生じる”所得により生活習慣や食生活に差” (healthy-life21.com)
 https://healthy-life21.com/2020/01/18/20200118/