野菜、果物、茶葉などの摂取で認知症リスクが低下!

 米・Rush University Medical CenterのThomas M. Holland氏らの報告。シカゴ市在住の高齢者を対象とする前向きコホート研究Rush Memory and Aging Project(MAP)の参加者のうち、研究登録時に認知症がなかった921例(平均年齢81.2歳、女性75%)を抽出し、フラボノールの摂取量で五分位に分け、食事からのフラボノール摂取とアルツハイマー型認知症リスクの関連について比較検討。対象には年1回、神経学的な評価と妥当性が確認された食物摂取頻度調査票を用いて食事の評価を実施。平均6年の追跡期間中に220例がアルツハイマー型認知症を発症。年齢、性、教育、アポリポ蛋白質(apo)Eε4、知的活動や身体活動の経験を調整。 
 食事からのフラボノール摂取とアルツハイマー型認知症には負の関連が認められた。全てのフラボノール摂取量が最も少ない第1五分位群(平均摂取量約5.3mg/日)に対する最も多い第5五分位群(同15.3mg/日)のアルツハイマー型認知症発症のハザード比(HR)は、0.52(95%CI 0.33~0.84)。
 主要なフラボノール4種類(ケンフェロール、ミリセチン、イソラムネチン、ケルセチン)での検討結果は、ケンフェロールでHR0.49(95%CI 0.31~0.77)、ミリセチンでHR0.62(同0.4~0.97)、イソラムネチンでHR0.62(同0.39~0.98)といずれも有意な関連が示された。(上図参照)一方、ケルセチンとアルツハイマー型認知症に有意な関連は認められなかった(HR0.69、95%CI 0.43~1.09)。
 報告者は「有望な結果ではあるが、今後さらなる研究で検証する必要がある」とした上で、「果物や野菜、お茶の摂取量を増やすことは、費用がそれほどかからず気軽に取り入れやすいアルツハイマー型認知症の予防法の1つとなりうる。世界的に人口の高齢化が進む中、アルツハイマー型認知症患者をわずかでも減らしたり、発症を遅らせたりすることができれば、公衆衛生上の便益はかなり大きい」とまとめている。

「Dietary Flavonols and Risk of Alzheimer Dementia」Neurology(2020年1月29日オンライン版)
 https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/31996451-dietary-flavonols-and-risk-of-alzheimer-dementia/


※フラボノールは、さまざまな果物や野菜、茶葉などに含まれているフラボノイド群ファイトケミカルの一種で、抗酸化作用があると考えられている。
 主要なフラボノールと豊富に含む食品
・ ケンフェロール:ケール、豆類、お茶、ホウレンソウ、ブロッコリーなど
・ ミリセチン:お茶、赤ワイン、ケール、オレンジ、トマトなど
・ イソラムネチン:梨、オリーブオイル、赤白ワイン、トマトソースなど
・ ケルセチン:トマト、ケール、リンゴ、お茶など


〔管理者コメント〕

 フラボノール?私には聞きなれない言葉だが豊富に含む食品を調べたら健康に良いと感じるものばかりでした!