腰、膝などを傷めない歩き方の指導は、高齢者の健康増進に直接寄与する!(大阪公立大学 他)

ダイナミックスポーツ医学研究所 土井 龍雄 氏、大阪公立大学大学院 春名 了輔 氏 らの研究グループの報告。2025年10月31日 大阪公立大学ホームページにて公表。研究成果は、2025年7月22日に「Sensors」に掲載。
歩幅を広げて歩くと、下半身の筋肉が多く使われるため筋力が向上するといわれているが、反面、着地の衝撃が増すため、膝や腰に負担がかかり痛みを引き起こすリスクも考えられている。そこで、上体をまっすぐに保持し、大幅ではなく、安定した姿勢で歩く(ソフトランディングテクニック)を用いた歩き方の指導を行い、受講前後に加速度計測定システムを腰に付けて10メートル歩行を行い、歩数、歩幅、歩行速度、腰部での上向き加速度の測定およびアンケート調査(測定した値を理解したかどうか、歩行時に痛みはなかったか、歩き方の意識など)を行い比較検討。
対象者は、10か所の異なる地域で開催されたウォーキング教室に参加した医師から運動制限を受けていない自力歩行が可能な高齢者合計223名(男性31名、女性192名)が、平均年齢74.7 ± 5.6歳(範囲65~91歳)、平均身長は154.4 ± 7.0cm。
結果
・ 指導後は、歩数が増加し、歩幅が小さくなり、着地衝撃の大きさを表す上向き加速度が減少。
・ 95%以上の参加者が本指導を理解し高く評価。
報告は、「健康な運動に興味がある高齢者からは、腰、膝が痛くならない歩き方は何かと聞かれる。腰、膝などを傷めない歩き方を指導する取り組みが、さらに広範囲で展開され、高齢者の健康増進に寄与することが期待される」とまとめている。
「~衝撃の少ない歩き方が健康寿命を延ばす~ 歩き方指導の有効性を検証」(大阪公立大学)
https://www.omu.ac.jp/info/research_news/entry-20586.html
「Accelerometer Measurements: A Learning Tool to Help Older Adults Understand the Importance of Soft-Landing Techniques in a Community Walking Class」(Sensors)
https://www.mdpi.com/1424-8220/25/15/4546