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北海道教育大学 森田 憲輝 氏、神戸大学 石原 暢 氏らの報告。2024年12月4日 同ホームページで公表。研究成果は、2024年11月4日「The Journal of Science and Medicine in Sport」に掲載。
認知障害と診断されていない健康な大学生51名(男性/女性=35/16)が対象。「運動(50%HR予備で自転車エルゴメータを20分間)後に学習(運動条件)」もしくは「座位安静後に学習(安静条件)」という条件の中で、単語の記憶学習を行い、その後に単語思い出しテストを記憶学習の24時間後、4週間後、6週間後、8週間後、11ヶ月後に実施。
結果のポイント
・ 運動が数日間の長期記憶を向上させるだけでなく、その効果がこれまでの予想を大きく上回って長期的に持続することが明らかとなった。
・ 単語を覚える前に20分間の運動をすると、安静にしていた時よりも、6週間後と8週間後に実施した単語思い出しテストの正答数が約10%多くなった。
・ 学習前の運動が8週間もの長期間にわたって長期記憶を向上させたこの結果は、長期記憶が必要な学習や作業の効率を高める手段として活用できる可能性がある。
報告は、「運動が長期記憶をどのように持続的に向上させるかのメカニズムを解明することで、ヒトの長期記憶の仕組みのさらなる理解につながる可能性もあり、多方面への発展が期待できる」とまとめている。
「20分間の運動で記憶力アップ!8週間後も効果が続く!」(北海道教育大学)
https://www.hokkyodai.ac.jp/info_topics_hue/iwa/detail/20134.html
「Movement boosts memory: Investigating the effects of acute exercise on episodic long-term memory」(The Journal of Science and Medicine in Sport)
https://www.jsams.org/article/S1440-2440(24)00555-3/fulltext#f0005