健康関連アプリを健康指導で活用できる可能性を示唆(女子栄養大学 他)

 女子栄養大学 津下 一代 氏、名古屋大学 尾上 剛史 氏、筑波大学 中田 由夫 氏、北里大学 松崎 慶一 氏らの研究グループによる報告。2025年8月25日女子栄養大学、筑波大学、北里大学のホームページにて公表。研究成果は、2025年7月17日「Journal of Occupational Health」に掲載。

 2021年に特定保健指導に参加した経験を持つ動機付け支援の参加者(156名)が対象。

 対象者を健康関連アプリ(運動・様々な身体活動、ウォーキング、ダイエット、アルコール摂取量の削減、ピアサポート、体重の6種類:上表参照)の使用を促す指導を行った介入群(n=76)と比較するための対照群(n=80)に群分け。両群に標準的な健康指導を実施。加えて介入群には対象者のライフスタイル、モチベーション、デジタルリテラシーを考慮しながら、対象者が選択した行動目標に合わせて推奨するアプリを推薦。最終的には、対象者自身がアプリを使用するか否か、また使用する場合はどのアプリを使用するかを決定。

 対象者の健康関連アプリの利用状況や生活習慣、体重の変化を3ヶ月後に評価。併せて1年後に実施された健康診断のデータについて評価。

 以下 結果のポイント

・ 介入群の3か月後のアプリ利用率は68.4%で、対照群の40.0%を大きく上回った。
・ 介入群では体重減少や中性脂肪の改善がみられ、代謝面での効果が示唆された。
・ 健康関連アプリ導入が、保健指導の効果を上げる可能性が示された。


 報告は、「デジタルツールを活用した保健指導という新しいモデルを提案するものであり、将来的にはより広い集団や地域への応用が期待される」とまとめている。


「モバイル健康アプリを健康指導で活用できる可能性を示唆」(女子栄養大学)
 https://llab.eiyo.ac.jp/ions/activity/research-achievements/3530-2/
「特定保健指導における健康関連アプリ導入支援でアプリ利用率が大幅に向上 ~生活習慣改善にも効果の可能性を示す~」(筑波大学)
 https://www.tsukuba.ac.jp/journal/medicine-health/20250825100000.html
「特定保健指導における健康関連アプリ導入支援でアプリ利用率が大幅に向上
~生活習慣改善にも効果の可能性を示す~」(北里大学)
 https://www.kitasato.ac.jp/jp/news/20250825-02.html
「Effectiveness of recommendations in promoting the use of mobile health applications in health guidance: a randomized controlled trial」(Journal of Occupational Health)
 https://academic.oup.com/joh/article/67/1/uiaf036/8204796