
(アイキャッチ画像、上図は、本文とは直接は関係ありません)
大阪公立大学大学院生活科学研究科 王 暁鋭 氏らの報告。2025年3月13日 同大学のホームページにて公表。研究成果は、2025年2月14日に「Building and Environment」に掲載。
19人の被験者(男10人、女9人、平均年齢±SD:25.84±1.38歳)に対して、電動カーテンで寝室に適度な光を適時に導入すると、朝の目覚めが良くなるかどうかを検証。
自然光曝露条件を、介入条件IA:起床前 20分間の自然光曝露、介入条件IB:夜明けから起床までの自然光曝露、対照条件CC:起床前の自然光曝露なしの三つの自然光曝露条件において起床後の眠気、覚醒度、疲労度を測る交差無作為化比較試験※を実施。
結果
IAとIBの累積照度および最大照度は同等。IAとIBの覚醒度と眠気はCCより良好で、IAの眠気はIBやCCより良好。
また、寝室の起床前の自然光制御は目覚めの質を改善すること、過大または過早の自然光は中途覚醒を促し目覚めの質を害する可能性を示唆。さらにIAは、目覚めを改善する効果的な自然光制御方法の一つであることが分かった。
報告は、「目覚めの質を改善するには、夜間の光害を避けるだけでなく、自然光が目覚めの質に与える影響を考慮し、適切な時間に朝の日光を浴びることが重要。ただ、自然光は覚醒に効果的であるものの、必ずしも多ければ多いほど良いわけではない。普段の起床時間の約20分前に自然光を浴びることが、適切な選択といえる」とまとめている。
※ 交差無作為化比較試験
同じ被験者が異なる介入を順に受ける試験。各被験者は自身を対照に比較できるため、個人差の影響を抑えることができる。
「起床前に自然光を浴びると目覚めの質が向上」(大阪公立大学) https://www.omu.ac.jp/info/research_news/entry-16768.html
「Natural light control to improve awakening quality」(Building and Environment) https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S036013232500215X