2012年にがんと診断された患者の10年生存率は54.0%!前回比0.5ポイント上昇(国立がん研究センター)

 2025年2月13日 国立研究開発法人国立がん研究センターは、国が指定するがん診療連携拠点病院等を含む院内がん登録実施施設から収集した院内がん登録データを用いて、2012年登録の10年生存率集計結果を報告書(全88頁)にまとめ公表。

 2012年登録の院内がん登録データを提出した拠点病院およびその他の院内がん登録実施施設(拠点外病院)の361施設から10年予後情報付腫瘍データ543,081例を収集し、集計した結果。全がんの10年生存率(純生存率:Net Survival*1)は54.0%。前回調査(2011年)より0.5ポイント上昇。部位別では、前立腺がん84.0%、乳がん(女性)82.5%、大腸がん58.1%、胃がん57.9%など。(上図参照)

 併せて、今回は、診断から一定年数生存している人の「サバイバー5年生存率*2」も初めて公表。
 同じがん種・病期であっても年齢やその他の因子によって予後が異なるということに注意が必要だが、治療による根治がより期待できる病期(I・II期)では、多くのがん種でサバイバー5年生存率はほぼ横ばいになるが、進行期(III・IV期)では1年生存するほど5年生存率が改善する傾向がみられた。診断時よりも改善する傾向であることが、治療を受ける方々にとって少しでも明るいメッセージになることを期待しているとまとめている。

*1 純生存率(Net Survival)
 期待生存率を算出することなく純粋に「がんのみが死因となる状況」を仮定して、実測生存率に重み付けをするのが純生存率。
*2 サバイバー生存率(Conditional Survival Rate,条件付生存率)
 診断日からの経過日数ごとに、そこからある期間(例:5年間)を生きる確率を示した生存率。


院内がん登録2012年10年生存率集計 公表(国立がん研究センター)
 https://www.ncc.go.jp/jp/information/pr_release/2025/0213_1/index.html