横浜市立大学大学院の長尾 景充 氏らの報告。2024年10月30日同ホームページで公表。研究成果は、2024年6月25日「The Journal of Physiological Sciences」に掲載。
従来のたばこ(紙巻きたばこ)と加熱式たばこからニコチンとタールを取り除いた成分(ガス相抽出物)を抽出し、ヒトの細胞に対する毒性を比較した検討。
結果
加熱式たばこにおいても高濃度で細胞死を引き起こすことが分かり、紙タバコと同様に細胞毒性を持つことが明らかになった。また、この細胞への毒性は活性酸素や細胞内カルシウム(Ca2+)シグナル伝達経路によって引き起こされる可能性が示された。(上図参照)
さらに、低濃度の場合は、がん細胞の増殖を促進する可能性が示された。
報告は、「加熱式たばこも、従来のたばこと同様に健康被害のリスクがある可能性が示唆された。今後、加熱式たばこががん細胞を増やしたメカニズムについてのさらなる研究が求められる」とまとめている。
「加熱式たばこが引き起こす細胞毒性とがん増殖の可能性」(横浜市立大学)
https://www.yokohama-cu.ac.jp/res-portal/index.html
「Cytotoxic effects of the cigarette smoke extract of heated tobacco products on human oral squamous cell carcinoma: the role of reactive oxygen species and CaMKK2」(The Journal of Physiological Sciences)
https://jps.biomedcentral.com/articles/10.1186/s12576-024-00928-1