新潟大学大学院医歯学総合研究科 山﨑 友里恵 氏らの研究グループの報告。2024年3月8日新潟大学のホームページで公表。研究成果は2023年11月17日「Journal of Atherosclerosis and Thrombosis」に掲載。
日本国内の18~74歳の56万人の医療ビッグデータを分析し、メタボリックシンドローム診断基準を構成する各項目(=ウエスト周囲長、血圧、血糖、血中脂質)の基準値を、実際に心血管疾患(虚血性心疾患、脳卒中)を起こしたか否かの結果に基づいて再設定し、それによる修正診断基準を作成。(下表参照)
修正新基準では、
・ 心血管疾患高リスク者見逃しが大幅に減り、特に女性において9割見逃されていた高リスク者をスクリーニングすることが可能となった。
・ ウエスト周囲長を必須にしてもしなくても心血管疾患予測能は変わらないことも判明した。
・ 判定が全体に厳格化された結果、メタボリックシンドローム該当者は、特に女性で大幅に増加した。
などとしている。
報告は、「今後は、特定健診に、現行基準の代わりに修正新基準を使用した場合の国民医療費への影響の比較なども含めて検討していきたい」とまとめている。
「56万人のビッグデータ解析により女性の心血管疾患高リスク者の見逃しが大幅減」(新潟大学)
https://www.niigata-u.ac.jp/news/2024/57885
「Usefulness of New Criteria for Metabolic Syndrome Optimized for Prediction of Cardiovascular Diseases in Japanese」(Journal of Atherosclerosis and Thrombosis)
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jat/advpub/0/advpub_64380/_article