昼食後、座位よりも立位の方がエネルギー消費量が約10%高く、さらに、膝の曲げ伸ばしを行うと糖代謝を促進!スタンディングデスクは、食後30分以内に立位と座位の作業位置を切り替えての使用がベスト!?(岐阜大学 他)

(アイキャッチ画像および下図は、本文とは直接は関係ありません)

 岐阜大学教育学部の 河野 寛也 氏らの研究グループの報告。詳細は2023年10月17日「International Journal of Environmental Research and Public Health」に掲載。

 非喫煙者で、代謝性疾患などの既往歴のない男子大学生15人(平均年齢21.6±1.1歳、身長172.7±5.8cm、体重68.3±5.9kg)が対象。
 研究デザインはクロスオーバー法で、炭水化物負荷として300gの米を摂取して、食後120分間身長に合わせて高さを調整したスタンディングデスクを使用または通常の椅子に座るの2条件で7日間の間隔をおいて実施。エネルギー消費量、心拍数、血糖値、呼吸交換比(RER)、外因性グルコース代謝率などの推移を把握して検討。

 結果

 昼食後立位の場合のエネルギー消費量は、座位よりも約 0.16 ± 0.08 kcal/分高かった。血糖動態は立位と座位で有意差はなかった。さらに、外因性グルコース代謝率の動態においても、立位と座位で有意差は認められなかった。食後2時間の立位は、グルコース代謝に影響を与えることなく、エネルギー消費量を10.7±4.6%増加させた。

 報告は、「昼食後のエネルギー消費は、座位よりも立位の方が約10%高く、また、主なエネルギー基質は脂質であることを示した。食後のスタンディングデスクの活用は、食後30分以内に立位と座位を繰り返し切り替えることが最適である」とまとめている。


「Effects of Standing after a Meal on Glucose Metabolism and Energy Expenditure」(International Journal of Environmental Research and Public Health)
 https://www.mdpi.com/1660-4601/20/20/6934