1日60分の座位行動もしくは低強度の身体活動を中高強度の身体活動に置き換えることは、特に中年女性の睡眠の質の改善につながる!(北陸先端科学技術大学院大学 他)

(アイキャッチ画像、上図は「(次期)アクティブガイド(健康づくりのための身体活動・座位行動指針 )(案)」で、本文とは直接は関係ありません)

 北陸先端科学技術大学院大学 KOOHSARI MohammadJavad 氏、早稲田大学 岡 浩一朗 氏、石井 香織 氏らの研究グループの報告。2023年1月31日ホームページにて公表。研究成果は2023年1月20日「Scientific Reports」に掲載。

 日本の2つの都市(東京都江東区、愛媛県松山市)それぞれに在住する40~64歳の成人日本人のうち、同意を得た683人(女性 417人、男性 266人、平均年齢52.2歳)が対象。

 睡眠の質は、国民健康・栄養調査票の2つの質問で評価。座位行動や身体活動は、3軸加速度計の活動量計を使用して7日間連続して測定。Isotemporal Substitutionアプローチと呼ばれる統計手法を用いて一定時間の座位行動や低強度の身体活動を、等量の中高強度の身体活動に置き換えた場合の睡眠の質への影響について比較検討。

結果

 1日60分の座位行動もしくは低強度の身体活動を減らし、その減らした分の時間を中高強度の身体活動に置き換えることが、特に中年女性の睡眠の質の改善につながるに良い影響を与えることが示された。この身体活動と睡眠の質との関係は、女性のみに示された。

 報告は、「睡眠の質を改善するためには、日常生活においてスポーツや運動などの中程度から高い強度の身体活動の時間を増やしていくことが重要であることを示唆しており、このことから、日本人中年者の睡眠障害の予防に向けて、活動的なライフスタイルを構築していくことが重要であると考えられる」とまとめている。


「睡眠の質改善に向けた身体活動の重要性を解明」(北陸先端科学技術大学院大学)
 https://www.jaist.ac.jp/whatsnew/press/2023/01/31-1.html
「Sedentary behaviour and sleep quality」(Scientific Reports)
 https://www.nature.com/articles/s41598-023-27882-z


〔参考〕