自転車通勤は糖尿病リスクを下げる!(帝京大学大学院 他)

 帝京大学大学院公衆衛生学研究科 桑原 恵介 氏らの報告。2022年10月17日「Diabetes Care」に掲載。

 職域多施設研究(J-ECOHスタディ)の運動疫学サブスタディのデータとして、成人における自転車通勤と2型糖尿病のリスクとの関連を前向きに評価。

 2006年度から年1回の健康診断データを使用して2017年までの糖尿病発症を把握。ベースライン時点で、糖尿病、心血管疾患、脳卒中、がんの既往のある人や、解析に必要なデータが欠落している人を除外した労働者3万1,678人(平均年齢44.0±9.8歳、男性84.9%)が調査対象。

 健康診断時に主な通勤手段を「自転車」、「徒歩」、「電車またはバス」、「車またはバイク」の4つの選択肢で調査し、自転車通勤、非自転車通勤の2つのグループに分類して2型糖尿病発症リスクとの関係を分析。

 結果

 非自転車通勤者に比べて自転車通勤者の糖尿病発症のハザード比(HR)は0.77(95%CI 0.68-0.88)で、22%有意に低リスクであることが示された。(上図参照)
 上記に身体活動領域を追加調整してもHR0.75(同0.61~0.93)、さらに、BMIを追加調整してもHR0.78(同0.63~0.96)と有意な結果。

 報告は、「自転車通勤が糖尿病リスクの低下と有意に関連することがわかった。今回のデータは、糖尿病予防のための自転車通勤の重要性を示している」とまとめている。


「Commuter Cycling and Risk of Type 2 Diabetes: A Cohort Study in Japan」
 https://diabetesjournals.org/care/article/45/12/e179/147724/Commuter-Cycling-and-Risk-of-Type-2-Diabetes-A