東京大学大学院医学系研究科の 天笠 志保 氏、鎌田 真光 氏らの報告。早稲田大学の 宮地 元彦 氏、東京医科大学の 井上 茂 氏、シドニー大学のAdrian Bauman 氏との共同研究。2022年8月6日「International Journal of Behavioral Nutrition and Physical Activity」に記載。
東京五輪の開催が決定した2013年の前後7年間に当たる2006~2020年に国民や東京都民の身体活動量、スポーツ実施率がどう変化したのかを、厚生労働省の「国民健康・栄養調査」、笹川スポーツ財団の「スポーツライフに関する調査」、東京都の「都民のスポーツ活動に関する世論調査」などを分析した結果。
国民の歩数や運動習慣、スポーツ実施率は開催決定前後で変化が見られず、開催決定の影響を確認できなかった。開催都市の東京都は2009年以降、スポーツ実施率の増加が見られたが、開催決定の翌年に当たる2014年以降に動きが止まっている。
報告は、「スポーツ実践・身体活動の普及には、普及戦略に関する科学的知見に基づき、関係機関が一体となって多面的・計画的に国民の行動変容に向けた施策に取り組む必要があると考えられる」とまとめている。
「東京 2020 オリンピック 国民のスポーツ・運動実践に影響を与えず(2006-2020 年調査分析)」(東京大学)(PDFファイル)
https://www.u-tokyo.ac.jp/content/400193632.pdf