2022年5月17日公益財団法人 明治安田厚生事業団 体力医学研究所のプレスリリース。明治安田ライフスタイル研究(MYLSスタディ:Meiji Yasuda Lifestyle Study)の結果。2022年4月27日「Scandinavian Journal of Medicine & Science in Sports」に掲載。
2017年~19年に明治安田ライフスタイル研究に参加したオフィスワーカー1,258名が対象。
対象者は腰に活動量計を装着し、普段の身体活動量や座位行動時間を測定。その際、対象者が勤める会社の就業規則を基に、平日の9~17時を仕事中、平日のそれ以外の時間を余暇、土曜・日曜・祝日を非仕事日と判定し、それぞれの活動場面別に健診結果(腹囲、拡張期・収縮期血圧、空腹時血糖、HDL-c、中性脂肪)との関連性を組成データ解析と呼ばれる統計手法により、1日の行動時間が持つ相互依存性を考慮し、年齢、性、教育年数、暮らし向き、配偶者の有無、喫煙・飲酒習慣、緑黄色野菜の摂取頻度、残業時間、高血圧・糖尿病・脂質代謝異常症に関する服薬の有無、睡眠時間の影響を統計学的に調整した結果。
良好な健診結果と明確に関連したのは仕事中の活動ではなく、平日の余暇の身体活動時間が長いことや座位時間が短いことだった。特に、総合的な健診結果と強く関連したのは、運動のような高強度の身体活動ではなく、ゆっくり歩行や家事といった低強度の身体活動。具体的には、統計学的予測により、余暇の座位行動を30分減らして、低強度の身体活動に充てることで総合的な健診結果が13%程度改善すると試算。
報告は、「オフィスワーカーの健診結果の管理には仕事中ではなく、余暇の座位時間を減らして、低強度であってもたくさん体を動かすのが大切であることを確認した」とまとめている。
「余暇に軽い身体活動が多いほど健診結果が良好 -活動量の実測データに基づく世界初の知見-」(明治安田厚生事業団)
https://www.my-zaidan.or.jp/pressrelease/detail.php?id=be126ba18b3f9b51cab0d2f1e0789a49&tmp=1652752902
「Association of domain-specific physical activity and sedentary behavior with cardiometabolic health among office workers」
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/abs/10.1111/sms.14165