Asaduzzaman Khan らの報告。世界64か国の青年を対象に、炭酸飲料とファーストフードの摂取とストレス関連の睡眠障害との関連を調査。
対象は、「Global School-based Student Health Survey;GSHS」に登録されたデータを利用。64カ国の12~15歳の青少年175,261人(平均年齢13.8歳、48.5%女性)。
ストレス関連睡眠障害は、「過去12カ月間に、何かが心配で夜眠れなくなったことがあるか?」の質問で「全くなかった」「まれにあった」「時々あった」「多くの期間そうだった」「いつもそうだった」で選択。後二者を選択した人を「ストレス関連睡眠障害あり」と判定。ファストフードの摂取量は、「過去7日間に、ファストフードを何日食べたか」という質問で「1日」「2~3日」「4日以上」の3群に分類。4日以上の場合を大量摂取とした。炭酸飲料の摂取量は、「過去30日間、炭酸飲料を1日に何回飲んだか」という質問で「1回未満」「1~2回」「3回以上」の3群に分類。3回以上の場合を大量摂取とした。ストレス関連睡眠障害との関連の解析に際しては、結果に影響を及ぼし得る因子(年齢、BMI、喫煙・飲酒習慣、孤独感、親友の人数、および食物不安)で調整。
結果、全体として、青年の7.5%が過去12か月間に睡眠障害を報告(男性6.6%、女性8.4%)。炭酸飲料を1日3回以上摂取している青年は、1日1回未満よりも睡眠障害を報告する確率が55%(オッズ比 = 1.55、95%信頼区間 1.42–1.70)高く、女性は51%(オッズ比 = 1.51、95%信頼区間1.37–1.68)高かった。ファーストフードを週4日以上摂取した青年期の睡眠障害を報告する確率は週1日以下より55%(1.55、1.39–1.73)高く、女性は50%(1.50、1.32–1.70)高かった。(上図参照)
炭酸飲料が1日3回以上、ファーストフードが週4日以上の場合、両方の性別の低所得国を除くすべての国で睡眠障害と有意に関連していた。
報告者らは、「炭酸飲料やファストフードの頻繁な摂取は、国民所得により多少のばらつきはあるものの、世界中の青少年のストレス関連睡眠障害に関連していることが示唆される。ただし、本研究は横断的な研究であるため因果関係は不明。因果関係を明らかにするために、前向き研究が必要とされる」とまとめている。
Association of carbonated soft drink and fast food intake with stress-related sleep disturbance among adolescents: A global perspective from 64 countries
https://www.thelancet.com/journals/eclinm/article/PIIS2589-5370(20)30425-9/fulltext
〔管理者コメント〕
青少年へ影響があるということは、調査ができれば、成人にも影響があるリスクは高い。「健康づくりのための睡眠指針 2014」(下図参照)では、飲食物には触れられていないが、最近は睡眠をサポートするサプリメントもあるようで・・・。