WHO(世界保健機関:World Health Organization)は、2010年に発表したガイドラインを更新し、2020年11月25日に新たなガイドライン「身体活動とよび座位行動に関するガイドライン(WHO Guidelines on physical activity and sedentary behaviour)」を発表。
ガイドラインは、青少年、一般成人、高齢者、妊娠中もしくは産後の女性、慢性疾患をもつ成人、障害者などに対応した身体活動を示している。
上図は、高齢者に関するカテゴリより一部抜粋、作図。
(意訳)
・ 週に150~300分の中強度の有酸素運動または75分~150分の高強度の有酸素運動またはその組み合わせで同等の時間・強度となる運動を推奨。
・ 週に2日は中強度以上の筋力トレーニングを推奨。
・ 週に3日はバランス運動や筋力を維持するための複合的な身体活動を実施し転倒を予防することを推奨。
・ 座位行動は最小限にとどめて、低強度でも問題ないので身体活動を取り入れることを推奨。
新たなガイドラインを通じてWHOは、年齢や能力を問わずアクティブになることは可能で、仕事や移動中、スポーツやレジャー活動、ダンスや遊びまたガーデニングや掃除といった日常生活の中でも実施可能であるというメッセージを送っている。
WHO guidelines on physical activity and sedentary behaviour(ガイドライン本文)
https://www.who.int/publications/i/item/9789240015128
WHO guidelines on physical activity and sedentary behaviour: at a glance(要約版)
https://www.who.int/publications/i/item/9789240014886
〔参考〕
身体活動の強さの区分とMETs、酸素摂取量との関係
〔管理者コメント〕
特に注目したいのは上図の「3days a week・・・」にある「functional balance and strength training 」です。同様の身体活動に関しては2018年に出された「Physical Activity Guidelines for Americans」では「Balance Activities」及び「Multicomponent Physical Activity」と表現されています。(個人的には「coordination」が最もしっくりくるのですが・・・)
今後の我が国の身体活動基準、身体活動指針での取り扱いが注目されます。